相続税の申告

相続税の仕組み

1.相続税とは

相続税は、個人が被相続人(亡くなられた方をいいます)から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金です。

2.申告・納付期限

被相続人の亡くなった日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に相続税の申告書を提出し、納付をしなければなりません。なお、申告書を提出する日と納税をする日は、期限内であれば異なっていても問題ありません。
(例)相続開始日が8月3日である場合の申告期限は翌年6月3日
   相続開始日が8月31日である場合の申告期限は翌年6月30日
   相続開始日が9月30日である場合の申告期限は翌年7月31日
また、最終日が土曜日・日曜日・祝日や税務署の閉庁日(年末年始)である場合には、その翌開庁日が申告納付期限になります。

3.相続税の申告が必要な方

被相続人の財産の価額から債務及び葬式費用を差し引いた金額が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した方は、相続税に申告をする必要があります。

 「遺産に係る基礎控除額」=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

4.相続税が課される財産

(1)被相続人が亡くなった時点において所有していた財産
  ①不動産(土地、建物など)
  ②預貯金
  ③株式や公社債などの有価証券
  ④その他金銭に見積もることができる全ての財産
国外に有する財産も対象となります。また、財産の名義にかかわらず、被相続人の財産で家族の名義となっているものも対象となりますので、注意が必要です。

(2)みなし相続財産
被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」(被相続人が負担した保険料に対応する部分に限る)や「退職金」などは、相続によって取得したものとみなされ、課税対象となります。
ただし、「生命保険金」や「退職金」のうち、一定の金額までは非課税となります。

 一定の金額=500万円×法定相続人の数

(3)被相続人から相続開始前3年以内に取得した暦年課税適用財産
被相続人から相続などによって財産を取得した方が、被相続人が亡くなる前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産(相続時精算課税適用財産を除く)は、課税対象となります。

5.控除できる債務と葬式費用

(1)控除できる債務
借入金や未払金などのほか、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかったものは相続財産から控除できます。

(2)控除できる葬式費用
お寺などへの支払い、葬儀社などへの支払い、お通夜に要した費用などは控除できます。
ただし、墓地などの購入費用、香典返しの費用や法要に要した費用は控除できません。

今からできる相続税対策

1.生前贈与で相続財産を減らす

お元気なうちに財産を子や孫に贈与すれば、課税される財産が減り、将来の相続税も減ります。また、配偶者への贈与にも大幅な優遇制度があります。ただし、贈与税の課税や贈与自体の否認(税務署が贈与と認めないこと)に注意が必要です。「失敗しない生前贈与」をご覧ください。

2.生命保険を利用する

生命保険金は本来の相続財産ではありませんが、相続税法上は相続財産とみなされ、課税の対象となります。

ただし、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。例えば1,500万円の現預金を持っていれば1,500万円が課税対象ですが、一時払いの終身保険(保険料として一括で1,500万円を支払い、万一の場合にはほぼ同額が保険金として支払われる)等を利用すれば、法定相続人が3人の場合、課税対象にはなりません。

3.早めにお墓や仏壇を買っておく

お墓や仏壇・仏具は非課税財産です。ぜひお元気なうちに購入しましょう。

4.家の修繕をしておく

外壁や壁紙、畳の張替えは今のうちにしておきましょう。ただし、建物の固定資産税評価額の改定を伴う増築や改築は注意が必要です。建物は原則として固定資産税評価額が相続税評価額となるからです。

5.空き地に賃貸物件を建てる

建物の相続税評価は、実際の建築費に比べて低くなります。さらに賃貸することで評価が低くなり、さらにその敷地の評価も下がります。多くの場合、半分近くにまで評価は下がります。自己資金であっても借入であっても効果は変わりません。

6.養子を迎えて基礎控除を増やす

相続税の仕組み」でご説明したように、基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。そこで養子縁組により法定相続人の数を増やします。お一人につき600万円控除額が増えます。
民法上は養子の数に制限はありませんが、相続税法上、法定相続人の数に含めることができる養子の数は以下のとおりです。
・実子がいる場合・・・・・1人のみ
・実子がいない場合・・・・2人まで
実際には内孫を養子にするケースが多いです。外孫や他の親族を養子にした場合、遺産分割協議の際に想定外の相続分を主張されるおそれがあります。

他にも手段はいろいろありますので、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った対策法が見つかるはずです。


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